本日は『気になった』カテゴリの記事です。
こちらでは創作に役立ちそうなネタを調べ、まとめています。
前回は、『世界の神々がよくわかる本』より神話の神について調べてみた~ギリシア神話編~をご紹介しましたが、今回は、『伝説の武器・防具がよくわかる本』より伝説の武器について調べてみた~剣編~です!
ファンタジーでは欠かすことのできない武器、剣。
人から人へと渡っていく武器には沢山のストーリーがあります。
実在したとされる伝説の剣には一体どんなストーリーが刻まれているのでしょうか。
それでは最後までお付き合い下さい!
力の象徴である剣
古代から続く、血塗られた戦乱の歴史を背負ってきた武器ゆえに、剣は今もなお人々を畏怖させ、王者の象徴であり続ける。
剣はあらゆる武器の中でもっともメジャーな存在である。
片刃の刀あるいは槍は世界各地に存在するが、両刃の剣が長期に渡って普及しているのは、ほぼ西洋文化圏のみだ。
とはいえ、日本をはじめとする東洋でも、古代には両刃の剣は使用されていた。
しかし、次第に両刃の剣は儀礼的、象徴的な性格をもつ存在となり、東洋では片刃の刀が普及していく。
実際、剣とは古来、たんなる武器というだけでなく、王権の象徴、力の象徴としての側面をもっていた。
日本の皇室にも今も神器として伝わる『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』や、英国の王室が所有する『クルタナ』は、まさにその好例である。
西洋の伝承では、アーサー王が石に突き刺さった剣を抜いて王位を得るエピソードや、北欧神話でシグルズ(ジークフリート)の父が、オーディンが木に刺した剣を引き抜いてその力を手にするエピソードが有名だ。
これらも、剣が王権や神の力の象徴となっていたことをよく示している。
また、剣の形状は金属の加工技術の進化と共に変遷してきた。
西洋の剣は、ローマ時代から中世の前半まで、しだいに刀身が長く、厚く、大型化していった。
これは防具の鎧が、全身を覆い、厚く重装甲のものへと進化していったことと無関係ではない。
八~十世紀ごろの西洋の剣は、ぶ厚く大ぶりで、実質、刃物というより鈍器のようなものだったともいわれる。
その理由として、治金(ちきん)や金属加工の技術が未熟で、刃の硬さと軽さを両立させることができなかったと挙げられる。
しかし、十五世紀ごろになると、細くても丈夫で切れ味の鋭い剣が作られるようになる。
これは、錬金術研究所の流行の副産物ともいえなくない。
錬金術とは、もともと別の安価な金属から黄金を生み出すことを目的としており、中世期には、多くの諸候がこの研究に資金を注いだといわれる。
結局、その本来の目的は果たされなかったが、結果的に、その試行錯誤から治金や金属加工の技術が発達していく。
このため、十六世紀以降の近世期になると、西洋では中世期のような大型の剣がすたれ、現代のフェンシングで見慣れているような、細くて軽い剣の時代へとしシフトしていく。
皮肉にも『剣技』が発達するのは、中世の鎧武者の合戦の時代が終わり、スポーツとしてのフェンシングが登場して以降だった。
日本でも剣術の道場が増えはじめたのは、関ヶ原の合戦によって戦国時代が終わってからである。
さらに、銃器の発達によって、実用武器としての剣は、近代以降、急速にすたれていった。
それでもなお、軍隊の指揮用の剣や小銃の先に付けられる銃剣などは残っており、先にも述べた草薙剣やクルタナは王室の儀礼に使われ続けている。
真の王者を見抜く、伝説の聖剣『エクスカリバー』
エクスカリバーは、王権を象徴する剣であり、また、妖精の加護によって王を守る力をもった神秘の剣であった。
その鞘には宝石の飾りがほどこされ、柄には顎から炎を吹き出す二匹のヘビが彫られていた。
この剣が鞘走る(刀身が鞘から自然に抜けでる)とき、燃え上がるようであったという。
そしてアーサー王は、この剣で九百六十人もの敵を斬り倒したとされる。
ちなみに、アーサー王の物語が現在のように確立したのは、十一世紀ごろとされる。
だが、岩に刺さった剣や、妖精の加護といったモチーフは、キリスト教普及以前の、古代ケルトや古代ゲルマン神話の多くにも登場している。
人馬もろとも打ち砕く、名将ローランの愛剣『デュランダル』
その柄は黄金でできており、柄の中には、聖ペトロの歯、聖バジールの血、聖ドニ上人の遺髪、聖母マリアの布、といった、キリスト教徒にとっては尊い聖遺物が収められていた。
また、ローランの持つ、名剣デュランダルの名は敵軍にも鳴り響いていた。
敵の中には、デュランダルを奪い取ってやろう気負う戦士もいる。
デュランダルを振るうローランの奮闘はすさまじく、敵の騎兵が被っている宝石を散りばめた黄金の兜と、体にまとった鎖帷子(くさりかたびら)を一気に叩き斬って、そのまま刃は馬の背に達し、人馬もろともうち倒している。
悲運の王子の叫びを刻む、神秘の剣『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』
また、もう一振りは宮中にも置かれているが、こちらは儀礼用の模造品であるといわれる。
この剣は、わが国の皇位の象徴として伝わる『三種の神器』のひとつだが、その由来と使用者は、むしろ古代の日本神話の神々や大和朝廷の中心から外れたものであった。
草薙剣は、もとは天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と呼ばれていた。
この剣を手に入れたのはスサノオノミコトである。
彼は古代日本の最高神たる『天照大神(あまてらすおおかみ)』の弟だったが、姉と仲たがいし神々の地である高天原を追放される。
出雲国(現在の島根県)に行きついたスサノオは、怪物ヤマタノオロチと戦った。
この時、オロチの尾に当たったスサノオの剣が欠け、オロチの尾からひと振りの剣が出てくる。
これが天叢雲剣で、その名は、オロチが現れるところに、常に雲が立ち込めたことに由来する。
草薙剣は、一般には公開されていないため、正確な外見の形状が伝わっていない。
スサノオの伝承に従うならば、材質はおそらく鉄だろう。
スサノオの剣が欠けたというのは、青銅器を使っていた大和朝廷の軍が、鉄の武器を持つ出雲地方の者と戦ったことの暗喩だという説が強いからだ。
実際、鉄という金属がまだ普及していなかった当時なら、貴重な戦利品だったはずだ。
神々の滅びを呼んだ、忌まわしき剣『勝利の剣』
この剣は自らの意思を持っているかのごとく、使い手のもとを離れ、敵を襲い、必ず倒すといった力を持っていた。
いわば、最古の無人兵器なのだ。
この勝利の剣に切り裂けないものはなく、その刃の輝きは太陽にも劣らなかった。
古代ゲルマン族の剣には、ルーン文字などの装飾がほどこされたものがある。
勝利の剣もまた、飾りがほどこされた細身の剣であったという。
英雄シグルズが愛したドラゴンスレイヤー『グラム』
このシグルズことジークフリートは、ドラゴン退治で知られる英雄であった。
グラムは鋭利な刃を持つ。
この剣を河の中に立てて羽毛を流すと、細い羽毛がまっぷたつになったという。
また、鍛冶屋の金床を切り裂くほどの力強い剣で、シグルズの父シグムンドは、グラムを振るって石壁を断ち割っている。
ドラゴンを貫いた、重量の聖剣『アスカロン』
聖者ゲオルギウスが使った剣アスカロンもまた、その一つである。
三世紀末ごろ、当時リビアのある村で国中に災厄をもたらす龍が現れ、王女を生贄として差し出さねばならなくなった。
ローマ帝国の騎士であったゲオルギウスは旅の途中でこの村に通りかかり、湖から現れた龍を刺し貫いて倒した。
アスカロンは地味な外見をしていたが、とてつもない重さだったという。
いにしえの名を受け継いだ長剣『フランベルジュ』
刃渡りは1.5メートル程度、柄も両手で握っても余るほどの長さだ。
外見上の特徴は、ゆらめく炎のような波型の刃で、これは切りつけた相手の傷口を広げる作用がある。
その名は外見どおり、炎(フレイム、フランス語でフランベ)に由来する。
西洋の短剣の祖『グラディウス』
古代ローマ帝国の歩兵の標準装備で、その名はそのままラテン語で『剣』を意味する。
刃の幅は広めで、刃渡りは50~70センチ程度。
もっぱら斬るよりも突くのに使われていた。
高原の戦士たちの大剣『クレイモア』
クレイモアという名は、『巨大な剣』という意味の古語に由来する。
刃渡りは1~2メートルにもおよび、刃も幅が広い。
この剣は、十五世紀から十七世紀ごろにかけて、スコットランドの高地人の戦士『ハイランダー』たちが使っていた。
身長並みの大剣なんてロマンそのものよね
ちなみに刃渡り1~2メートルのクレイモアの重量は2~4kgだそうです。
4kgといえば2リットルのペットボトル2本分ということになりますね。
説明でもありましたが、もはや斬るというより鈍器のように持ち上げて振り下ろす(叩く)、といった表現の方が近そうですw
伝説の武器についてはまだまだ沢山あるので、次回もまた紹介したいと思います。
ということで、『伝説の武器・防具がよくわかる本』より伝説の武器について調べてみた~剣編~でした!
それではまた!
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